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一刀
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ひとかたな
ふりがな文庫
“
一刀
(
ひとかたな
)” の例文
いつもかかることのある際には、
一刀
(
ひとかたな
)
浴びたるごとく、
蒼
(
あお
)
くなりて
縋
(
すが
)
り寄りし、お貞は
身動
(
みうごき
)
だもなし得ざりき。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なに
)
しろ
一刀
(
ひとかたな
)
とは
申
(
まを
)
すものの、
胸
(
むな
)
もとの
突
(
つ
)
き
傷
(
きず
)
でございますから、
死骸
(
しがい
)
のまはりの
竹
(
たけ
)
の
落葉
(
おちば
)
は、
蘇芳
(
すはう
)
に
滲
(
し
)
みたやうでございます。いえ、
血
(
ち
)
はもう
流
(
なが
)
れては
居
(
を
)
りません。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一刀
(
ひとかたな
)
とて怨むこともかなわぬとは、神仏にも見離されしか、
斯
(
かく
)
の如き尾羽打ち枯した身の上になり、殊に盲目の哀しさには、
口惜
(
くちお
)
しくも
匹夫
(
ひっぷ
)
下郎の
泥脛
(
どろずね
)
に木履を持って
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
津田は
一刀
(
ひとかたな
)
で斬られたと同じ事であった。彼は斬られた
後
(
あと
)
でその理由を
訊
(
き
)
いた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何しろ
一刀
(
ひとかたな
)
とは申すものの、胸もとの突き傷でございますから、死骸のまわりの竹の落葉は、
蘇芳
(
すほう
)
に
滲
(
し
)
みたようでございます。いえ、血はもう流れては居りません。
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
松脂をつぎ込んでから一日たって居るので粘って抜けない、脇差の抜けませんのにいら立つ処を
又
(
ま
)
た
一刀
(
ひとかたな
)
バッサリと骨を切れるくらいに切り込まれて、
向
(
むこう
)
へ倒れる処を
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
振向く処を
一刀
(
ひとかたな
)
、向うづきに、グサと突いたが脇腹で、アッとほとんど無意識に手で
疵
(
きず
)
を
抑
(
おさ
)
えざまに、弱腰を横に落す処を、引なぐりにもう
一刀
(
ひとたち
)
、肩さきをかッと当てた、が
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あゝ親として手前を己が殺すと云うのは実に情ない、手前己を親と思わずに
一刀
(
ひとかたな
)
でも怨んで呉れ
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
音羽は女ながらも
胆
(
たん
)
の
据
(
すわ
)
ったもので、今腰が抜けて坐って
居
(
い
)
る藤六を振向きながら
一刀
(
ひとかたな
)
浴
(
あび
)
せる。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
又
一刀
(
ひとかたな
)
あびせたから惣次郎は残念と心得て、脇差の鞘ごと投げ付けました、一角がツと身を
交
(
かわ
)
すと肩の処をすれて、
薄
(
すゝき
)
の
根方
(
ねがた
)
へずぽんと刀が
突立
(
つった
)
ったから、一角は
血
(
のり
)
を拭いて鞘に収め
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“一刀”の意味
《名詞》
一振りの刀。
刀を一度振り下ろすこと。
一刀両断の略。言下に否定、批判すること。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
刀
常用漢字
小2
部首:⼑
2画
“一刀”で始まる語句
一刀彫
一刀三礼
一刀斎
一刀一拝
一刀斎勘兵衛