“ゐのこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
47.4%
15.8%
居残10.5%
居殘5.3%
5.3%
猪児5.3%
猪子5.3%
野猪5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのさまあたかも未だ巨人島にわたらぬガリワルの如く、また未だガリワルを見ざる「リリピユウシヤン」の如く、ゐのこを抱いて臭きことを忘れ、古井の底にみて天をうかゞふ。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
ゐのこはも金毛となりて、 はてしらず西日に駈ける。
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
此時同勢のうち長持ながもち宰領さいりやうをして来た大工作兵衛がゐたが、首領の詞を伝達せられた時、自分だけはどこまでも大塩父子ふしの供がしたいと云つて居残ゐのこつた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
乳母 はれま、結構けっこうなお教訓けうくんぢゃ、すがら此處こゝ居殘ゐのこっても、聽聞ちゃうもんがしたいわいの。てもま、學問がくもんきついものぢゃな! 殿とのさん、貴方こなたさしますことをひいさまにまうしましょ。
まして夏の日の峯とそばだち秋の夕の鱗とつらなり、あるは蝶と飛びゐのこと奔りて緩くもはやくも空行くが、おのれから為す業ならばこそ、皆風のさすことなるを何取り出でゝ憎むに足るべき
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
左に推させ、と右へ、捻ぢ回したる打擂すまひ本手てなみに、さしもたけたる須本太牛は、おぞ頑童わらべ放下ほかさるる猪児ゐのこごと地響ぢひびきして摚と仰反り倒れけり——と描写している。
越後の闘牛 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
かねて新聞の広告で見て、出版の日を楽みにして居た『懴悔録』——肩に猪子ゐのこ蓮太郎氏著、定価までも書添へた広告が目につく。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
この時口の左右より野猪ゐのこのごとく牙露はれしチリアットはその一の切味きれあぢを彼に知らせぬ 五五—五七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)