“めど”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:メド
語句割合
針孔25.0%
目的18.8%
18.8%
目度6.3%
夫婦6.3%
目処6.3%
目途6.3%
眼問6.3%
6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人間の寿命に相応ふさはしい、嫁入り、子育て、老先おいさきの段取りなぞ地道に考へてもそれを別に年寄り染みた老け込みやうとは自分でも覚えません。縫針の針孔めどに糸はたやすく通ります。
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
ようようお若をなだめましたんで、ホッと一息つき、それでは手に手をとって駈落と相談は付けたものゝ、たゞ暗雲やみくも東京こちらをつッ走ったとて何処どこ落著おちつこうという目的めどがなくてはなりません
と泣声になり掻口説く女房の頭は低く垂れて、髷にさゝれし縫針のめどくはへし一条ひとすぢの糸ゆら/\と振ふにも、千〻に砕くる心の態の知られていとゞ可憫いぢらしきに、眼を瞑ぎ居し十兵衞は
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あくる日は翁は一日歩いて、また一二尺掠り除かれた雲の裾から山のふもとを、より確かに覗き取ったが、歩めども歩めども山の麓の幅の尽きらしい目度めどを計ることができなかった。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
翁はそれを目度めどに移して山の影を見上げて行った。翁は息を胸に一ぱい吸い込み思い切り見上げたつもりでそこで眼を止めた。山の峯はまだそこで尽きようともせぬ。翁の息の方が苦しくなった。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
竿と、ビクとをたずさえた漁師の子供が二人——夫婦めどはなの方から、ここへ通りかかって、ふとくだんの滑稽なる持腐れを発見した第一の人となりました。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ばらばら松の七八本が動かぬ目処めどにございまする。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
火中に栗を拾うたとえで、なまじっかなことをすれば、怪我けがをするだけではすまない。主水にどのような目途めどがあるとしても、まずまず成功は覚束おぼつかないように思われた。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
とだけ呟いて、苫の蔭なる俊基へ、眼問めどいしている風だった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大豆打でえづぶちにかつころがつたてえに面中つらぢうめどだらけにしてなあ」剽輕へうきん相手あひてます/\惡口あくこうたくましくした。群衆ぐんしふ一聲ひとこゑをはごとわらひどよめいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)