“ふくろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フクロ
語句割合
32.0%
32.0%
21.7%
10.3%
1.2%
吹路0.8%
母親0.4%
皮袋0.4%
0.4%
錦嚢0.4%
阿母0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
清兵衛せいべえは、うき足立った敵陣へ、まっしぐらに、朝月あさづきをおどりこませ、左右につきふせた敵兵のこしをさぐり、一ふくろあわを発見すると
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
峠の双方の麓の宿場しゅくばなどが、雪に中断せられて二つのふくろの底となることは、常からの片田舎よりもなおいっそう忍びがたいものらしい。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
こんな事を言ひ/\、樵夫きこりやつ枯木かれきり倒すと、なかから土でこさへたふくろの形をした物が、三つまでころころと転がり出した。
馬鹿云うな、口があれば京にのぼる、長崎から江戸に一人行くのに何のことがあるか。「けれども私は中津にかえっておふくろさんにいいようがない。 ...
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かきあみとは攩網すくひだまなり、鮏をすくるをいふ。そのすくだまの作りやうは又ある木のえだげあはせて飯櫃いひびつなりに作りこれにあみふくろをつけ、長きありてすくふたよりとす。
吹路ふくろという急坂を登り切った頃から日は漸く暮れかけた。風の寒い山腹をひた急ぎに急いでいると、おりおり路ばたの畑で稗や粟を刈っている人を見た。
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)
実のお母親ふくろの気でいても全くは他人、この魂胆を知っているのは松五郎の生前に聴いたおればかりだ……とお前のところの隠居に云わせるのだ
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
老婆は静かに立ち上がって牛酪バタ皮袋ふくろを取り出した。其処から牛酪を一摘み出して灯皿の中へ大事そうに入れて羊毛の燈心を差しくべて燧金ひうちから夫れへ火を移した。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
葯は二つのふくろから成り、縦裂せる間隙から一向に油気のないサラサラとした花粉を散出し、時々吹き来る風のためにそれが散らばり飛んで花柱の毛に着き、そこに拘束せられるのである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
そして趙雲に、手ずから三つの錦嚢ふくろを授けた。呉へ行って事きわまる時は、このふくろを開けて見るがいい。あらかじめ、自分が肝胆を砕いた三ヵ条のはかりごとは、この錦の嚢に秘めておいた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お阿母ふくろの一周忌だよ、ちゃンと届けたじゃないか」
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)