“ひととほり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一通70.0%
尋常20.0%
一遍10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分の隣家となり謡曲うたひの師匠が住んでゐる。朝から晩まで引切しつきりなしに鵞鳥の締め殺されるやうな声で、近傍あたり構はずうたひ続けるのでそのやかましさといつたら一通ひととほりの沙汰ではない。
すればまだしも尋常ひととほり憂悲歎うきかなしみまうものを。チッバルトがおにゃったうへに、殿しんがりに「ロミオは追放つゐはう」。
主は彼に向ひて宮の家内かないの様子をたづねけるに、知れる一遍ひととほりは語りけれど、娘は猶能なほよく知るらんを、のちに招きて聴くべしとて、夫婦はしきりさかづきすすめけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)