“こうのう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
行嚢18.5%
効能18.5%
功能14.8%
後脳14.8%
弘農7.4%
效能7.4%
睾嚢7.4%
香嚢3.7%
江濃3.7%
膠嚢3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのそばにおなじみの白犬しろが頭を地につけて眼を閉じて眠っている。郵便集配人がズックの行嚢こうのうをかついではいって来る。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
薬も長きむずかしき名を付ければ効能こうのう多く聞こゆるの例によりて、ややもすると、今もこのへいおちいりやすい。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
わたくしほどの芸人げいにんが、手前みそに狂言きょうげん功能こうのうをならべたり、一座いちざの役者のちょうちん持ちをして、自分からひんを下げるようなことはいたしませぬ。
落ちかけた時調子の取りようが悪かったので、棒が倒れるように深いみぞにころげこんだ。そのため後脳こうのうをひどく打ち肋骨ろっこつを折って親父は悶絶もんぜつした。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「これは、漢の天子の弘農こうのう還幸かんこうせらるる御車である。不敬すな!」と、叱咤した。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あらゆる防水ぼうすい方便てだてつくされたが、微塵みぢん打碎うちくだかれたる屹水下きつすいかからは海潮かいてうたきごとほとばしりつて、その近傍きんぼうにはこと出來できない。十だい喞筒ポンプは、全力ぜんりよくみづ吐出はきだしてるがなん效能こうのうもない。
日ごろ睾嚢こうのう八畳敷を誇り大風呂敷をひろげて人をたぶらかしてゐた狸公も、いささか国家のために尽すところの一役を与へられゝば幸甚であると、故郷の村からつい二三日前手紙があつたばかりだ。
たぬき汁 (新字旧仮名) / 佐藤垢石(著)
一六はいやだ、と怪庵口をとがらしていふ。きのふ蘇山人そさんじんに貰ひたる支那土産の小筆二本と香嚢こうのうとを出させて怪庵に示す。
明治卅三年十月十五日記事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
妹は不潔物を抱へて去り、母は金盥かなだらいを持ち来り、窓掛をあけなどす。余は起き直らんとして、畳の上にありし香嚢こうのうの房の先のビードロをひじに敷きて、一つ割る。桃色のシヤボンにて手を洗ふ。
明治卅三年十月十五日記事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
今に土中より麻皺ましう古瓦こぐわいづるといへり。江濃こうのう両国境を経一里柏原駅。一里半醒井さめがゐ駅。虎屋藤兵衛の家に宿す。暑尤甚し。行程九里きよ
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
皆好物なるが上に配合ことに善ければうまき事おびただし。飯二碗半、汁二椀、刺肉喰ひ尽す。ブランデー一口を飲む。母は給仕しながら、そこに坐りて膠嚢こうのうにクレオソート液を入れ居り。
明治卅三年十月十五日記事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)