“くろうと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
玄人67.2%
黒人23.0%
商売人3.3%
苦労人2.2%
売色1.1%
苦勞人1.1%
売女0.5%
専門家0.5%
芸娼妓0.5%
苦労女0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(なるほど孔子は音楽の理論には長じているだろう。しかし、実際楽器を握っての技術にかけては、何といっても自分の方が玄人くろうとだ。)
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
おほよそたたみ類の事あちらは黒人くろうと也。こちらはしらず候ゆゑ也。)勿論浦郷うらざとにて便も宜候故也。私添書どもなきをあやしむことなかれ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
これは商売人くろうと懐賽ふところざいってやつで、駈出しには持てません、さて早速ながら本文に移りますが、バクチというやつも、その種類を数え立てると千差万別、際限はねえんですが、まず丁半ちょうはん
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ところがこのマドロスに上越すところの海の苦労人くろうとが、現在自分の身近くにいる! という報告を、別人ならぬお松が聞かせてくれたのだから
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
何かほのかに引っかかるもののある感じのする売色くろうとにも、その場きりの軽い興味をもち得る機会が、長いあいだにはたまにあったとしても、女を愛する資格があるとは思っていなかったので
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
奧さんらしいのもゐた、苦勞人くろうとらしいのもゐた。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
誰が売女くろうとに好かれるか、それは知らないけれどもだよ。——塾の中に一人、自ら、新派の伊井蓉峰ようほうに「似てるです。」と云って、あごを撫でる色白な鼻の突出た男がいる。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこで自然おのずと、物には専門家くろうと素人しろうとの差別が生ずるのだと、珍々先生は自己の廃頽趣味に絶対の芸術的価値と威信とを附与して、いささか得意の感をなし、すさみきった生涯の
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
はくのついた芸娼妓くろうとに違いないと申すもあるし、えらいのは高等淫売いんばいあがりだろうなどと、はなはだしい沙汰さたをするのがござって、とんと底知れずの池にむ、ぬしと言うもののように、素性すじょうが分らず
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、お前んに逢って、機嫌の悪い事でもあった日には、家中に八ツ当りで、十言とこと云うことに、一口も口を利かぬ。愚に返った苦労女くろうとをどうするだね。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)