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きんぎよぶ
けれども、
淡泊で、
無難で、
第一儉約で、
君子の
食ふものだ、
私は
好だ。が
言ふまでもなく、それどころか、
椎茸も
湯皮もない。
金魚麩さへないものを、
些とは
増な、
車麩は
猶更であつた。
で
同人が
嘆息した。——
今でも
金魚麩の
方は
辟易する……が、
地震の
四日五日めぐらゐ
迄は、
此の
金魚麩さへ
乾物屋で
賣切れた。また「
泉の
干瓢鍋か。
車麩か。」と
言つて
友だちは
嘲笑する。
紅葉先生の
説によると、「
金魚麩は
婆の
股の
肉だ。」さうである。