“かべぎわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
壁際92.3%
壁側7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
壁際かべぎわ籐椅子とういすった房子ふさこは、膝の三毛猫みけねこをさすりながら、その窓の外の夾竹桃へ、物憂ものうそうな視線を遊ばせていた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
宗助はこごんで、人の履物はきものを踏まないようにそっと上へのぼった。へやは八畳ほどの広さであった。その壁際かべぎわに列を作って、六七人の男が一側ひとかわに並んでいた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ミスラ君はうしろを振返って、壁側かべぎわの書棚を眺めましたが、やがてその方へ手をさし伸ばして、招くように指を動かすと、今度は書棚に並んでいた書物が一冊ずつ動き出して
魔術 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ミスラ君の部屋は質素な西洋間で、まん中にテエブルが一つ、壁側かべぎわに手ごろな書棚が一つ、それから窓の前に机が一つ——ほかにはただ我々の腰をかける、椅子が並んでいるだけです。
魔術 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
すると電燈の薄暗い壁側かべぎわのベンチに坐っていた、背の高い背広の男が一人、太いとうつえを引きずりながら、のそのそ陳の側へ歩み寄った。そうして闊達かったつに鳥打帽を脱ぐと、声だけは低く挨拶あいさつをした。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
房子はようやく気軽そうに、壁側かべぎわ籐椅子とういすから身を起した。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)