二つの松川ふたつのまつかわ
かわいい二本のレールは、乱雑に積み重ねられた伐材の中に消えていた。あわてて二、三尺の赤土をかき登ると、思いもかけなかった大道がかなりの急カーヴを描いて目の前にあった。大雨の跡をしのばせる水たまりが諸所に光って、湿った白砂の上には太いタイヤの …