そこでツァーが首斬った人民の歴史を語っている首の座は、メーデイの人波とプラカートの波の下にかくれてしまっている。
そっちの方角を埋める人波と、人波の上にゆれるプラカートの林立を眺めていて、伸子は、いつも特別な思いで眺める首の座が見えないのに気がついた。
父の泰造が伸子に送る新聞につけてよこした赤インクのかぎはいまその形をひきのばされ、首の座を埋めて動いている数万の人々の上に幻のように立つようだった。
“首の座”の解説
『首の座』(くびのざ)は、マキノ・プロダクション御室撮影所が1929年(昭和4年)に製作、9月20日に封切り公開した日本の長篇無声時代劇剣戟映画である。白黒、スタンダード。のちの巨匠・マキノ正博が満21歳で監督した。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)
“首の”で始まる語句