「そうら、こっちが西だ、遥か向うの平野に雲煙縹渺うんえんひょうびょうたるところ、山がかすんで見えるだろう、あれが伊勢の鈴鹿山だ」
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)