前の衣はもう十年ばかりも着て、ぼろぼろになつてしまつたので、良寛さんと懇意な阿部造酒右衛門あべみきゑもんといふ人が、今度新しくお衣を、つくつてくれたのであつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)