いつであったか、銀座資生堂ぎんざしせいどう楼上ではじめて山崎斌やまざきたけし氏の草木染めの織物を見たときになぜか涙の出そうなほどなつかしい気がした。
糸車 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)