が、この現象は、すでに宗教としての活力を失った古い教権にとっては、最も大なる脅威でなくてはならぬ。かくて山門の衆徒は栄西を訴え、公家階級もそれに同じて達磨宗停止だるましゅうちょうじの令を発した。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)