見ると、新浜の良雪和尚りょうせつおしょうなのである。いつも飄々ひょうひょうと、人生を一人で楽んでいるかのように見える、禅門の風流人であった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)