わたくしは年々秋風秋雨に襲われたのちの庭を見るたびたび紅楼夢こうろうむの中にある秋窓風雨夕しゅうそうふううのゆうべと題された一篇の古詩を思起す。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)