畏堂小林氏と同じく信州松代まつしろの城主真田信濃守幸教さなだしなののかみゆきのりの家臣である。秋航は江戸の儒者西島蘭渓にしじまらんけいの義子で、『湖山楼詩屏風』の言う所によれば、詩賦書画篆刻てんこく等を善くした多芸の才人である。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)