白いふすまを背に、やがて豪骨ごうこつな老武士が手をつかえていた。質子ちし目附兼傅役めつけけんもりやくとして松寿丸に附けてある者だった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)