と云って弘法大師の十住心論のはじめ異生羝羊心いしょうていようしんから終りの秘密荘厳心まで一々そのを誦して道理を述べ、弘法大師の主意と自分の解釈のしようを細かに申し述べると、法橋がそれを聴いて
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)