烤餅コウビン)” の例文
彼等はただ饅頭マントウや、烤餅コウビンのかけらを食わして貰うだけだった。そして湯をのまして貰うだけだった。金は一文もなかった。
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
幹太郎は工人等が、黒い饅頭か、高粱粉をベッタラ焼きのようにした烤餅コウビンのかけらを噛って、湯をのむだけで、よくも一日十五時間の労働に消費される熱量を補給し得るものだと考えた。
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)