波頭ナミガシラ)” の例文
見渡せば、見渡す限りのなだらかな起伏は、唯ひたすらに麦の青に掩はれて、風の吹き渡る度毎に、麦の靡きが銀色の波頭ナミガシラを振り立て乍ら緩慢な傾斜をひろびろと登つて行くのだ。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)