黄門どのが、それまで日課として来た“法華経序品ほけきょうじょぼん”の写経を、さらに専念しだしたのは、それからで、たちまち五月末には全八巻を写しおえ、巻末に
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)