「……昨夜間潭夢落花さくやかんたんらっかをゆめむ可憐春半不還家あわれむべししゅんぱんいえにかえらず江水流春去欲尽こうすいりゅうしゅんさってつきんとほっす……」というあたりは私だけには大いに心遣りのつもりがあった。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)