また、洛外の滝の本坊にいるという隠操の雅人、松花堂昭乗しょうかどうしょうじょうの淡味な即興風のものにも心をひかれた。沢庵とも深い友達であると聞いて、さらに慕わしい気もちをその画に持っていた。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)