へいの向うは松平相模守まつだいらさがみのかみの中屋敷で、大きなえのきが五本並んでおり、その裸になった枝に雀が群れていて、ときどきぱっと飛び立ってはまたべつの枝にとまり
あだこ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)