因州新田の領主で一万五千石、松平淡路守清直まつだいらあわじのかみきよなおの鉄砲洲十間町の上屋敷には、新たに造営した一角の女御殿があって、其処そこに玉の如き姫君——きょう姫というのを住ませて置きました。