その岩の名を今では蛇の枕と呼び、月輪兵部殿つきのわひょうぶどのという武士が、昔この岩の上に遊んでいた大蛇を射て、左の眼を射貫き、一家ことごとくたたりをけて死に絶えた。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)