石川からは、相変わらずの明星攻撃、文壇照魔鏡ぶんだんしょうまきょうという渋谷の詩人夫妻の私行をあばいた冊子さっしをわざと送り届けてよこした。中にも郁治から来たのが一番多かった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)