江戸家老の梱方万里はじめ四十二人、若殿の御着御目見おちゃくおめみえなので盃は出ない。松田久弥が名を呼び挙げると、一人ずつ上段の前へ来て辞儀をする、中老以下は二人ずつ一緒である。
若殿女難記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)