床頭台上しょうとうだいじょうに点ぜられた台附電灯の光が、緑色のシェードを通じて、ゼリーのように、変に淀んだ空気を漂わせた。病院の秋の夜は、静かに更けて行った。
卑怯な毒殺 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)