けれども出世は遅々としていた。官は十四でなった侍従が、二十八で左近権少将さこんのごんのしょうしょうになったきり、四十になってもそのままであった。位は三十四で従四位上になったままである。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)