富岡とみがをか)” の例文
前に引いた所の嘉永癸丑に向島に遊んだ記もこれに似て、真の終結に至らずして筆をさしおいたものである。次年丙辰に富岡とみがをかに遊んだ記も亦さうである。これに反して小説二篇は完璧である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
柏軒の妻俊の遺文を検するに、此年五月十八日に富岡とみがをか永代寺に詣でた記がある。永代寺には成田山不動尊の開帳があつた。武江年表に拠るに開帳は三月二十日より五月二十日に至る間であつたらしい。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)