別而尊君様御方々御愁傷之程如何計歟御察し奉申上候。随而甚恐入候得共御麤末おそまつなる造花御霊前様へ御備被下置候はゞ、親子共本望之至に御座候。只御悔之印おんくやみのしるし迄に奉献之度これをけんじたてまつりたく如此に御座候以上。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)