吉右衛門を間において考へれば、幸右衛門は、言ふまでもなく、東間も、阪田も、骨細は骨細ながら、当りを取るに相違ない。此で「天下茶屋聚テンガヂヤヤムラ」の役と言ふ役は、彼の手のウチの物ばかりの気がする。