このとき、静かに云ったのは、この場の生命のやりとりに、一と言も口を利かず、片腕もあげなかった奇怪の人物、大蘆原軍医おおあしはらぐんいだった。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)