五十五歳のヘンデルは、続いて器楽曲の傑作「大協奏曲コンチェルト・グロッソ」十二曲を書いた。彼の人格と人間愛とをきざみつけた作品である。が、社会は決してヘンデルに寛大であったわけではない。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)