人言がいかに繁くとも逢いに出ようとか(高田女王たかたのおおきみ)、あるいは、あの夜でなくても逢えたものを、なぜまたあの晩に逢って人に評判せられることだろうとか(大伴坂上大嬢おおとものさかのうえのおおいらつめ
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)