二、三年前Sと大久保余丁町おおくぼよちょうまちの友人Mを尋ねての帰りに電車通りへ出ると、そこの路地の入口に一台の立派な自動車が止まっていた。
初冬の日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)