垂糸しだれ)” の例文
祇園の垂糸しだれ櫻は大分弱つてゐる。粟田御所の大くすにも枝の枯れた處が見えてゐる。その樹下を過る度にわたしは何とも知れぬ暗愁を禁じ得ないのである。
十年振:一名京都紀行 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)