五月にはいって、半蔵は木曾福島の地方御役所じかたおやくしょから呼ばれた用向きを済まし、同行した宿方のものと一緒に馬籠へ帰って来た。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)