今かかる達人の見地よりせば、いわゆる道のためには喪身失命そうしんしつみょうを辞せずで、手足しゅそくなお断つべし、いわんやこの肉体を養うための衣食のごとき、場合によってはほとんど問題にもならぬのである。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)