去勢牛きんぬき)” の例文
「ぢやあ、おいらが骨折つて、チェレヸークにパラースカを手ばなすことを納得させたら、お前さん去勢牛きんぬきを二十ルーブリで譲るだかね?」
去勢牛きんぬきどもは軛を外して草を食まされ、荷物は道路においてけぼりにされた。そして一同は番小舎の前に車座になつて煙草を喫み出した。
それに去勢牛きんぬきどもめが二度ばかり家の方へ後もどりをしかけやがつた。それから、どうも今になつて考げえて見ると、おいらは月曜日に家を出たやうだぞ。
「手前つちときたら、一にも去勢牛きんぬき、二にも去勢牛きんぬきだ。手前たちやあ、なんかといへば慾得一点ばりで、堅気な人間を誤魔化したり、ぺてんに懸けたりばかりしてやがるんだ。」