全く自ら筆を操る事が出来なくなってからの口授作くじゅさくにも少しも意気消沈した痕が見えないで相変らずの博引旁証はくいんぼうしょうをして気焔を揚げておる。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)