なかんずく、錦明宝きんめいほうという剣葉畝目地白覆輪けんばうねめじしろふくりんの万年青をなめずらんばかりに大切にし、どこの町端まちはの『万年青合せ』にも必ず持って出かけて自慢の鼻をうごめかす。
顎十郎捕物帳:02 稲荷の使 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)