刀は三尺二寸五分、物干竿と名づけたる備前鍛冶長光びぜんかじながみつの刀、武蔵が渚づたいに歩んでくるを見るとともに腰掛を離れて走出た。そして渚に近よって
巌流島 (新字新仮名) / 直木三十五(著)