その一人は、佐脇藤八郎さわきとうはちろうといい、ことし十四の少年で、信長の勘気にふれて先年放逐ほうちくされた、前田犬千代の実弟だった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)