三河屋の縁故えんこの者で、客分とも居候ともつかず、この二三年厄介になっている、佐々波金十郎ささなみきんじゅうろうという男、まだ二十七八でしょうが、腕も才智もすぐれた上、男前も恰幅かっぷくもなかなかに見事です。