恐ろしい人もあったもので、明の頃に既にこういう人があったのであるから、今日でもこの人の造らせた模品が北定窯だの何だのといって何処どこかの家に什襲珍蔵じゅうしゅうちんぞうされていぬとは限るまい。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)