すでに七十さいをこしていると思われる当主九郎左衛門翁くろうざえもんおうの、賢者けんじゃを思わせるような風格に接し、その口から報徳社の精神と部落の歴史とをきくことができたのも、塾生たちの大きな喜びであった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)